
子どものころから、外食をするとすぐにお腹が痛くなったり、家に帰ってからトイレに駆け込むこともしばしば💦
脂っこい料理や味の濃いものを食べると、数時間後には胃が重くなってしまうことが今でも度々あります。
そんな私にとって、「胃腸が弱い」はずっと付き合ってきた体質です。
病院で検査をしても大きな異常はなく、「体質だから」と片付けられてしまうことも多かったのですが、自分自身で料理を始めて気づきました——胃腸にやさしい食事は、思った以上に体を楽にしてくれるということ。
そのきっかけが、出汁そして乾ししいたけをベースにした食事でした。
油や砂糖、添加物をできるだけ減らし、素材の旨みを引き出す出汁は、胃腸への負担が少なく、食後の胃の重さや不快感が和らいだのです。
ここからは、胃腸が弱くなる原因と、出汁ベースの食事がどう体にやさしいのかをお伝えしたいと思います。

考えられる原因
私の場合、胃腸の不調を引き起こすきっかけはいくつかあります。
まず一つ目は牛乳です。
体質的に乳糖を分解する酵素が少ない「乳糖不耐症」の傾向があるため、牛乳やアイス、クリームたっぷりのデザートを食べると、しばらくしてお腹が張ったり、痛みや下痢が起こることがあります。
これは、分解されなかった乳糖が腸で発酵し、ガスや水分を生むためです。
二つ目は油もの。
揚げ物やこってりした料理は消化に時間がかかり、胃に長くとどまります。
その間、胃酸の分泌も増えるため、胃もたれや痛みを感じやすくなります。
特に外食では古い油を使っている場合もあり、それが腸内を刺激して不快感を生むこともあります。
そして三つ目は急な食事です。
仕事や予定の合間に慌ただしく食べたり、食事時間が大きくずれたりすると、消化の準備が整わないまま胃腸に食べ物が入ります。
早食いやよく噛まずに飲み込む習慣も重なれば、大きな塊のまま胃に届き、さらに負担がかかります。
こうした不規則な食事は、自律神経のバランスを崩し、胃腸の働きを弱める原因にもなります。
このように、私の場合は牛乳、油もの、急な食事は、それぞれ違った理由で胃腸に負担をかけてしまうのです。
だからこそ、私は胃にやさしい出汁ベースの食事を心がけるようになりました。
胃腸が弱くなる主な原因
上記以外にも考えられる要因は以下があげられます。
脂質や糖分の多い食事
揚げ物やこってりした外食は消化に時間がかかり、胃に長く負担がかかる
ストレスや睡眠不足
自律神経の乱れが胃酸の分泌や腸の動きを乱す
早食い・不規則な食事
消化酵素の分泌が追いつかず、消化不良を起こす
冷たい飲食物のとりすぎ
胃腸を冷やし、血流が悪くなって機能低下
過剰なアルコールや刺激物
粘膜を傷つけ、炎症や機能低下を招く

胃腸が弱い人に「出汁ベースの食事」がよい理由
消化にやさしい
出汁は固形物を細かく砕かなくても旨みが摂れる液体。胃腸に負担をかけにくい
旨みで減塩ができる
グアニル酸(干ししいたけ)、グルタミン酸(昆布)、イノシン酸(かつお節)などが旨みを深め、塩分を減らしても満足感がある
栄養吸収をサポート
出汁に溶け出したミネラルやアミノ酸は消化吸収がスムーズ
腸内環境にうれしい効果
乾ししいたけの食物繊維やβグルカンが腸内フローラを整える
温かくして摂ることで血流改善
温かい汁物は胃腸の血流を促し、機能回復を助ける

しいたけが胃腸にやさしい理由とメリット
出汁の中でも乾ししいたけは、以下のメリットがあり積極的に摂取したい食物です。
旨み成分が消化を助ける
しいたけにはグアニル酸という旨み成分が含まれています。
これが食欲を刺激し、少量の調味料でもおいしく感じられるため、薄味の消化によい料理が作りやすくなります。
低脂肪・低カロリー
脂肪分がほとんどなく、消化負担が少ない食材です。揚げ物や油炒めを避け、煮る・蒸す・出汁で煮含めるなどの方法なら胃腸に優しくいただけます。
免疫力サポート成分(β-グルカン)
しいたけに含まれるβ-グルカンは腸内の免疫細胞に働きかけ、腸のバリア機能をサポートします。
胃腸が弱く、風邪をひきやすい方にも心強い成分です。
食物繊維で腸の動きを整える
しいたけには水溶性・不溶性の両方の食物繊維が含まれます。
水溶性:腸内でゲル状になり、便を柔らかくする
不溶性:腸のぜん動運動を促す
ただし繊維質が多いため、かたく調理すると消化に時間がかかることがあります。やわらかく煮るか、薄切りにして調理すると◎。
胃腸に負担をかけない「出汁ベースごはん」の工夫
朝は温かい味噌汁やお吸い物でスタート
野菜・きのこ・豆腐など消化しやすい具材を使う
揚げ物や肉料理には出汁を使った副菜を添えてバランスをとる
塩分は控えめにし、旨みで満足感を出す
冷たい飲み物より常温・温かいものを選ぶ
おすすめレシピ 白身魚と豆腐の出汁煮
材料(2人分)
白身魚(鱈やカレイ) 2切れ
絹ごし豆腐 150g
生姜薄切り 2枚
食育出汁 300ml
薄口しょうゆ 小さじ1
塩 少々
- 乾ししいたけ 2切れ
作り方
白身魚は塩をふって5分置き、軽く水気を拭く。
鍋に出汁と生姜を入れて温め、魚を入れて弱火で煮る。
火が通ったら豆腐を加え、しょうゆと塩で味を整える。
ポイント
生姜は胃腸の冷えを防ぎ、消化を助ける。
調味料は薄味で、出汁の旨みを活かす。
もぐもぐだし 48g(12g×4)

胃腸の弱さは、単なる「体質」だけでなく、日々の食事や生活習慣が大きく関わっています。
出汁をベースにした食事は、消化にやさしく栄養を効率よく取り入れられる、まさに胃腸ケアの味方。
胃腸をいたわることは、心と体の元気を取り戻す第一歩です。